News

世の中のボーダレスなアート最新情報をアートラボメンバーがお届けします。

Blog

ギャラリー【OVER THE BORDER】スペシャリストと巡る旅【Cultra】で新しいアートを探るアートラボのBlogです 

たよりない現実、この世界の在りか展@資生堂ギャラリー


今回は、イチオシの展覧会をご紹介いたします。タイトルは「たよりない現実、この世界の在りか」。
銀座の資生堂ギャラリーで開催中です(8月22日まで)。

作家は「目【め】」というグループ。

アーティストの荒神明香さんとwah document(南川憲二さん、増井宏文さん)によって組織された現代芸術活動チームです。

荒神明香さんは昨年瀬戸内国際芸術祭に出品されていたり、様々な活躍で知られつつある人気アーティストの一人ですが、wah documentもまた、壮大なアイデアを本気でやり遂げる魅力のアーティストユニットです。

・・・という紹介を細かにしたいところでもありますが、今回ご紹介する展覧会は、誰がどんな風に作ったか?そんな話は知らなくても、全く問題ありません。何の前情報も無く、展覧会を訪れてもはっきりと分かるすごいことが起こっているのです。

 

<会場入口。点検口と書いてあるドア、そこが入り口でした。>

こんな展覧会は、他には無いのでぜひ会場を訪れて欲しいと思い、詳細なレポートは致しません。単に面白い仕掛けに迷い込んだと思うだけでも楽しいものです。それ以上に、「たよりない現実」とは何のことか?「この世界の在りか」とは?と、普段は身を潜めている根本的な問いかけに肩を叩かれたような経験になるのではないでしょうか。

 

 
Information
「たよりない現実、この世界の在りか」
主催:株式会社 資生堂
会期:2014年7月18日(金)~8月22日(金)
会場:資生堂ギャラリー
〒104-0061東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階
平日 11:00~19:00 日曜・祝日 11:00~18:00
毎週月曜休(月曜日が休日にあたる場合も休館)
入場無料
展覧会公式ページ(資生堂ギャラリー)
 

 

Share on Facebook

平松実紗×田辺真弓「POLYMORPHIC」@SCAI THE BATHHOUSE

こんにちは、様々なアートスポットをご紹介していきたいと思っているArtLABです!
今回は谷中にある、元は銭湯の建物でも有名なSCAI THE BATHHOUSEにお邪魔してきました。

現在開催中のPOLYMORPHIC(ポリモーフィック)のレポートをお届けいたします。
銭湯の趣の残るエントランスを入っていくと、脱衣場があったはずの空間と、その奥に大浴場だったと思しき空間が広がっています。入ってすぐのところに平松実紗さんの作品群が展示され、奥にある部分に田辺真弓さんによる作品群、と会場を二分して展示されていました。
二人は今年の春、京都造形芸術大学をそれぞれ卒業・修了されたばかり。卒業修了展覧会の際に「SCAI THE BATHHOUSE賞」を受賞され、今回二人展を行われているという気鋭の作家さんたちです。

平松実紗さんの展示風景


 

 

雑然と物が置いてあるように感じた最初の印象に反して、壊れやすく繊細な積み重ねがされていることに気付かされます。緻密な計算と言うよりは、不安定な心境の一人遊びが長じて引き返せないところに来てしまったような、少し寂しい気分にもさせられます。回り続けるプラレールも孤独な気分を助長します。数枚ある赤いインクのみで描かれたドローイングは、そんな閉鎖された空間に開いている窓のような役割に感じました。繊細な均衡の上に成り立っていながら素材一つ一つが身近にありふれたゴミのようなものであるということに意外性と、安心感を持ってしまいます。

田辺真弓さんの展示風景


 

 

 

平松さんの展示空間から一歩奥に入ると、真っ白な部屋が広がっていました。蜜蝋やワセリンなど、様相の変化する素材で制作されており、様々な表情のある作品が並んでいます。全てが同じ白い色合いでありながら、全く別々の質感を持った作品たちはそれぞれ別々の魅力を持っています。感触を確かめたくなるような誘惑と、触れたら壊しそうな儚さ、儚いのにどこかグロテスクな風合いを持つ作品たちはなかなか見飽きることがありませんでした。

一見、対照的な印象を受ける二人の作品でしたが、共通してとても繊細な魅力を持った展示空間になっていました。美術館の広い空間で鑑賞する楽しみもありますが、ゆっくりと見つめて、細かい表現も発見することのできるギャラリーでの展覧会も良いものだなあ、と実感させてくれる二人展でした。8月2日までの開催ですが、ぜひ訪れてみて下さいね。谷中には素敵なスポットがたくさんあるので、ArtLAB Blogでも紹介したいきたいと思います。

 
 

展覧会情報
ポリモーフィック
2014年7月11日(金) – 8月2日(土)
開廊時間:12:00 – 18:00
日・月・祝日 休廊
会場:SCAI THE BATHHOUSE

 

Share on Facebook

ミッション[宇宙×芸術]@東京都現代美術館<後編>

こんにちは、ArtLABです。前回に引き続き、東京都現代美術館で開催中の展覧会
「ミッション[宇宙×芸術]―コスモロジーを超えて」のレポートをお届けします。

後編!芸術に迫れ
宇宙関係だけでも大満足のボリュームでしたが、後編では我らがArtLAB、芸術分野の作品をご紹介します!
前編と同じく、会場の順路とは関係なく、一部をピックアップしてレポートいたします。

 

 

<名和晃平 「Direction」、「Ether」、「Moment」シリーズ>

ArtLABとしてはCultraでもお世話になっている、名和晃平さんの作品です。大迫力のDirectionシリーズに囲まれて、Etherという彫刻郡が置いてあります。Directionシリーズでは、斜めに重力のかかっているかのような重圧を感じさせられるのですが、中央にあるEtherは、無重力空間の植物が上下対称に育っている、そんな印象を受けます。斜めに重力のかかっている空間に、浮遊感する生き物が健気に育っているような、不思議な空間です。その向かいの壁面にあるMomentシリーズでは、平面表現の中に形を変えながら空間が広がっていくような魅力を味わうことができます。
DirectionとMomentの制作風景(「Direction_Document Movie」と「Moment_Document Movie」)は、美術館内にあるミュージアムショップ ナディッフの奥で映像を見ることが出来ます。それぞれ平面に対して、立体的に運動を伴ってインクが乗っていく様子は、こんな風にできていたのか!と目が離せなくなりました。ぜひ訪れた際にはチェックしてみて下さい。

 

<チームラボ 「冷たい生命」(書:紫舟)><森脇裕之 「echo(echo-π,echo-p)」>

「冷たい生命」は、かなり無機質な質感から、何か構造的な物や科学現象的な物をみているような印象を受けました。しかし、この作品は「生命は生命の力で生きている」という作品が元になっているそうで、あの生命の可憐さや躍動感の溢れる作品を少し別の角度から描いただけで、こんなに違うものに見えるのか!と驚きました。確かによく見ると、花が咲き、四季が巡っています。とても不思議な体験です。
森脇裕之さんの「echo-p」は一見して天文学を解説する装置のような外見をしています。しかしその裏には一回の回転でお経を一回唱えたことになる、というチベット仏教のマニ車がモチーフとなっており、作品を回して宇宙を一周するというコンセプトで構成されています。回転数に応じて光の回るecho-πでも、目の前にある物体の動きが宇宙を作り出すという試みです。

 

<チームラボ 「憑依する滝、人工衛星の重力」 >

人工衛星「だいち2号」自体の質量にかかる重力で引き寄せられていった水が、ぶつかり跳ね上がって蒸発していくという様子を実物大模型の「だいち2号」にプロジェクションマッピングしている作品です。現実の宇宙空間では起こりえない状況をシミュレートして作られているにも関わらず、大自然を前にしたかのような印象です。無音での展示でありながら、水の音や質感を感じるような気がしてきます。もちろん、想定されている状況は宇宙なので、音もしないし肌も露出できず、水の冷たさも感じないはずなんですが・・・。そんな、絶対ありえない状況に出会える空間です。


<福原哲郎&東京スペースダンス 「スペースダンス・イン・ザ・チューブ」>

少し無重力のような体験のできるチューブ。特殊な弾力のある布で作ってあり、中で跳ねると大きく飛び上がることができます。転がっても全身を布が支えてくれる不思議な感覚です。

 

<oblaat「ポエツリー」(詩:谷川 俊太郎「二十億光年の孤独」)>、<oblaat 「隣の宇宙」より穂村 弘の作品>
 

<oblaat 「隣の宇宙」より最果 タヒの作品>

館内にはエントランスホールのガラスやトイレの鏡、エレベーターの中にもoblaat(谷川俊太郎、三角みづ紀、最果タヒ、穂村弘)の詩が点在します。詩歌の世界ではしばしば、究極的な孤独さや個人的な世界に目が向けられますが、宇宙という広大な空間が、更に詩の世界を引き立ててくれているのではないでしょうか。

宇宙×芸術
宇宙と芸術という一見全くかけ離れた分野のように見える2つの世界が、こんなに密接な関わりあいを持っていると実感できたことに驚きました。
宇宙の無重力な空間や広大な世界に広がる銀河の不思議、そして手元に残される孤独感をアートの世界が扱っているだけではありません。宇宙の分野もまた、実用的な性能や物理学、数学の世界を超えてロマンのために邁進する面があるからこそ、こんなに芸術との親和性が高いのだ!と、遠く思えた宇宙の世界の中に、アートのようなきらめきを感じました。

人工衛星カフェもお見逃し無く


<2FにあるCafé Hai は会期中、「人工衛星カフェ」として和田ラヂヲによる人工衛星擬人化イラスト「人工衛星クラブ」を展示しています。>

人工衛星クラブのみなさん、それぞれにキャラクターが多彩、シュールで目が離せません・・・。

カフェのランチメニューも、夏にぴったり。おいしくいただきました!

 

 
展覧会情報

ミッション[宇宙×芸術]―コスモロジーを超えて

会期:2014年6月7日(土)~8月31日(日)

時間:10:00~18:00

7月18日、25日、8月1日、8日、15日、22日、29日(いずれも金曜日)は10:00〜21:00 *入場は閉館の30分前まで

休日:月曜日( 7月21日 は 開 館 )、7月22日

会場:東京都現代美術館(企画展示室1F/地下2F・アトリウム)

住所:東京都江東区三好4-1-1電話:03-5245-4111(代表)

展覧会ウェブサイト

 

 
 

Share on Facebook

ミッション[宇宙×芸術]@東京都現代美術館<前編>

みなさんこんにちは。Art LABです。
梅雨明け宣言を待たずに青空が広がり始め、夏も間もなく本番です!
夏と言えば子供の頃の夏休みの宿題、自由研究を思い出す方も多いのではないでしょうか。
今回Art LABでは自由研究のテーマにもぴったりな宇宙、そして芸術がテーマの展覧会「ミッション[宇宙×芸術]―コスモロジーを超えて」にお邪魔しました。

盛りだくさんな展覧会だったため、前編「宇宙」と後編「芸術」に分けて掲載いたします。
では、まずはレポートの前編「宇宙」、ご覧ください!

ミッション まずは宇宙を堪能せよ!

さっそく美術館にお邪魔すると、エントランスで早速技術試験衛星Ⅰ型「きく1号」が待ち構えていました。1975年に打ち上げられた後、重要なデータを取得するなど立派に使命を果たして1982年4月28日に運用を停止したという衛星界の往年のヒーローと言ったところでしょうか。
26面体の頭、そこからすこし突き出たアンテナのような出っ張り。いかにも「衛星」!ですが、気のせいでしょうか。こちらを向いて「こんにちは」と言ってくれそうな気配が漂います。


実際に打ち上げられた衛星と同じものがテストや保存用として保管されていて、それが今回展示されています。
 

宇宙分野と芸術分野についての年表や、月面着陸の際の記録写真が展示されています。そして中央にあるのは、16~18世紀頃に出版されていた様々な宇宙に関する書籍です。まだまだ身近とは言えない宇宙ですが、この本が書かれた頃に比べれば、宇宙の鮮明な映像や多くの情報を手に入れることが出来るようになったのだな…と認識を新たにしつつ暗い部屋に進みます。
 

<大平貴之 「夢幻宇宙」 サウンドデザイン:有馬純寿>

暗闇に星が輝いています。プラネタリウム、いや、これは宇宙です。しかも、現美のお家芸、寝転がって鑑賞することができます!今回の展示では約1000万個の恒星が表現されています。徐々に回る星やオーロラに囲まれて、広大な宇宙の中に投げ出されたかのような体験です。現実に私達は宇宙の中の地球で暮らしているにもかかわらず、プラネタリウムを通して改めて宇宙にいることを知覚する、という不思議な転倒が起こります。いつまでも宇宙にいたい、いつでも宇宙にいるけど、という矛盾を抱えながら名残惜しくプラネタリウムを後にします。
ここからは順路通りではなく、宇宙分野を取り上げる内容を一部、ご紹介していきます。

 

<NHK「月面旅行」-Flying over the moon- 展示協力(株)イマジカデジタルスケープ/藤本直明(月球儀コントローラー製作)データ:JAXA/SELENE,NASA>

月球儀を手に取り回すと、その回転に合わせて月面を鑑賞することができるインタラクティブな展示です。月の見所ガイドという案内あり、聞きなれない地名が並びます。無機質的な地形の特徴を並べたものだけでなく、「虹の入江」なんて、ロマンチックなスポットが月にもあるようです。

 

<H-ⅡA204型ロケット 提供:三菱重工業株式会社><フェアリング 提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)>

ロケットと、足元には金属片のような物が散乱しています。この金属片は「フェアリング」と言って、打ち上げの際にロケットに搭載されている大事なものを守る役目の物だそうです。今回展示されているフェアリングは実際のロケット打ち上げ後、回収された実物!ということで、大気圏突破経験有りの猛者です。ちなみによく見ると蜂の巣のような六角形のハニカム構造になっていて、丈夫なのに重量が軽くなるように作られているということです。

 

<測地実験衛星「あじさい」 提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)><「地球光」プロデュース:籠谷 武, 美術デザイン:稲村 正人, 設計:早坂 聰史, ライティングデザイン:藤原 工><惑星探査機 協力:IHIエアロスペース>
 

 

<なつのロケット団による展示風景>

ロケットをDIYしている「なつのロケット団」による展示です。実際に打ち上げたロケットの1/4スケールの手作りペーパークラフトや打上げ時の映像、実際に打ち上げた後、燃え尽きながらも記録を持ち帰った凄惨な姿のカメラなどなどを見ることができます。ちなみに、このカラフルなロケット本体の色やマークは、軍事目的ではない、ということをアピールするための工夫だということです。一般的には軍事的・実用的に参入する宇宙業界に、夢とロマンで取り組む、なつのロケット団さん・・・。その派手な色使いもさることながら、夢を追いかけるマインド。だんだん芸術方面に寄ってきている感じがします・・・。

 

<多摩美術大学×東京大学 ARTSAT:衛星芸術プロジェクト「ARTSAT:On-Orbit」>

現在軌道上に存在する世界初の芸術衛星「ARTSATINVADER」は宇宙からの情報を、芸術作品を作るために送っている、という稀有な存在です。この芸術用衛星さんが、地球をバックに自撮りした写真、解像度が低い!しかしそれが可愛い!地球を離れた逆境で、一人漂いながら自撮りしちゃう衛星ちゃん・・・。もう、これは完全に芸術の域です。

ここまで、天体から始まり宇宙についての興味深い展示をたくさん見せて頂きました。ご紹介した物の他にも、ロケット打ち上げ時の記録映像や数種類の衛星の実物(打ち上げず、保管されているもの)など、宇宙開発に関する展示も多く、きっと宇宙ファンの皆様にも納得の内容になっているのではないでしょうか。

 

次回、芸術に迫る!


次回は、後編といたしまして、[宇宙×芸術]展の中でも芸術分野の内容をアーティストの作品を中心にご紹介いたします。
 

 
展覧会情報

ミッション[宇宙×芸術]―コスモロジーを超えて

会期:2014年6月7日(土)~8月31日(日)

時間:10:00~18:00

7月18日、25日、8月1日、8日、15日、22日、29日(いずれも金曜日)は10:00〜21:00 *入場は閉館の30分前まで

休日:月曜日( 7月21日 は 開 館 )、7月22日

会場:東京都現代美術館(企画展示室1F/地下2F・アトリウム)

住所:東京都江東区三好4-1-1電話:03-5245-4111(代表)

展覧会ウェブサイト

 

 
 

Share on Facebook

「サッカー展、イメージのゆくえ。」@うらわ美術館

みなさんこんにちは。Art labです。
ワールドカップが始まりましたね。本日も日本戦があり、みなさんのサッカー熱も沸騰中なのではないでしょうか。次回6月25日のコロンビア戦に期待ですね。さて、今回は盛り上がり中のサッカー熱をさらに熱くしてくれる展覧会を紹介したいと思います!現在うらわ美術館にて開催中の「サッカー展、イメージのゆくえ」。まさに今、ぴったりの展覧会に行ってきました。それではレポートをご覧ください。
 
 

 
展覧会レポート
<1.FOOTBALL/「足」と「球」をめぐって>

会場内は、5つのエリアにわけて展示されています。まずは、第1エリアの様子。サッカー展ということで、ボールをモチーフにした作品はもちろん、足に焦点をあてた作品も多く見られます。身体の一部としては頭部や手をモチーフにしたものはよく見ますが、足に焦点をあてた作品がこれだけ多く見られるのは珍しいのではないでしょうか。

 
白髪一雄「無題(赤蟻王)」ギュンター・ユッカー「スパイク・シューズ」
(左)天井から吊るしたロープにつかまり、床に広げたキャンバスの上に絵具を置いて縦横無尽に足で描く、フット・ペインティングという白髪さん独自の方法で描かれた作品。作品単体で見ればサッカーと結びつくことはないけれど、こうしてサッカー展に出展していると、共通性を見出すことができます。
(右)暴力や残虐性をテーマに制作をしたギュンター・ユッカ―の作品。スポーツと言えば爽やかなイメージがありますが、サッカーと暴力と言えばフーリガン、というように、スポーツと暴力はかつては紙一重のものでした。
 

 
<2.サッカー以前/蹴鞠・民衆のフットボール>
「年中行事絵巻(模本)」
私たちが知っているサッカーが成立したのはイングランドにおいてですが、それ以前にもずっと古くから世界各地にさまざまな球技がありました。中国から伝わったとされる蹴鞠は、戦国時代には日本でも行われていたようです。こちらの絵巻は江戸時代のもの。日清カップヌードルのCM「サムライ in ブラジル」で話題になっている甲冑姿でサッカーをする徳田幸太郎さんなど、最近ではW杯の度にあえて和服でサッカーをする広告が出たりしていますが、こういうものを見ると、和服は普段着だったということに、改めて感慨を覚えます。
 
楊斎延重「男子学校教育寿語録」
「けまり」をしている男性の手が腰にあるのが分かるでしょうか。サッカーが手を使ってはいけないボールゲームだということから、このような絵が残されているそうですが、実際にこのような格好で行ったという文献も残っているようです。このようにサッカーの歴史を絵で学べるのも第2エリアの面白いところです。
 

 
<3.明治-大正-昭和戦前期:サッカー導入・モダニズム・オリンピック・美術>

第3エリアでは、過去のオリンピック映像などが見られます。生まれる前のものなど、普通に過ごしていては見ることのできない映像を見られる貴重な機会です。
 

 
<4.戦後-現代/ワールドカップポスター・『ぴあ』を飾ったサッカー選手たち、サッカー漫画>

到着した瞬間に、圧巻されてしまう程の漫画の数々。すべてサッカー漫画です。「キャプテン翼」などの誰もが知っているような有名なものから、かなり古いもの、コアなものまで。お気に入りの1冊を見つけて読んでみたくなります。
 

及川正通「『ぴあ』表紙原画 長友佑都」
さて、こちらではおなじみ『ぴあ』の表紙を飾ったサッカー界のヒーローたちの原画が飾ってあります。いま活躍中のあの人から、永遠のヒーローのあの人まで。それぞれのヒーローを探して楽しんでみてはいかがでしょうか。第4エリアは漫画や『ぴあ』の他にも広告など、戦後以降のものというだけあってなじみある作品が多く気軽に楽しむことができそうです。
 

 
<5.サッカーをめぐる現代のアート:小沢剛、金氏徹平、倉重迅、日比野克彦>

日比野克彦「SOCCER STUDIUM」
ダンボールを使った作品が有名な日比野克彦さんの作品。日比野さんといえば、無類のサッカー好きとしても知られており、日本サッカー協会の広報委員やFC岐阜の特別顧問を務めたりもしています。日比野さんにとって、アートとサッカーは同じ身体表現であり、両者は分かち難い表現の発露。まさにサッカーとアートのコラボレーションという今回の企画にぴったりのアーティストです。
 

小沢剛「2002年アートサッカー・ワールドカップ 韓国対日本」
こちらは日韓ワールドカップの際に作られた作品。サッカーの競技人数と同じ日韓各11人のアーティストが、サッカーボールに手を加えながら次の人にパスして1つの作品をつくりあげていきます。左ができあがった作品2点。右が制作の様子を記録した映像。受け取ったアーティストの反応、そこから手を加えていく様は、サッカーのパスのように繋がれていき、ゴールへと向かいます。
 
 

 
「サッカー展、イメージのゆくえ」は今週末6月22日まで。アート好き、サッカー好き、広告好き、ありとあらゆる方が楽しめる展覧会になっています。ワールドカップ開催中のいま、サッカーについてさらに深く語れるように、文化面からも寄り添ってみてはいかがでしょうか。みなさま是非お出かけください。

 
 
Information
 
うらわ美術館
[会期] 2014年4月26日(土)〜6月22日(日)※月曜日休廊
[時間] 10:00〜17:00 ※土日のみ20:00まで
[会場] うらわ美術館
[観覧料]一般820円(650円) 大高生510円(400円) 中小生200円(160円)
      *( )内は20名以上の団体料金。JAFカード提示でも割引されます。
      *リピーター割引:観覧済の有料チケットを提示すると、来館時に団体料金でご覧いただけます。
[イベント]
6月22日(日)14:00〜・・・ギャラリートーク

 
 
 

Share on Facebook

PAGE TOP