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ギャラリー【OVER THE BORDER】スペシャリストと巡る旅【Cultra】で新しいアートを探るアートラボのBlogです 

宮島達男さん×山出淳也さんによるトークイベント@OVER THE BORDER



7月20日(日)13時半から、国東半島芸術祭Tokyo Preview展の会場でトークイベントを行いました。
ゲストにお迎えしたのは宮島達男さんと山出淳也さんのお二人です。
 
参加者の皆様のお手元には、国東半島芸術祭のプレスリリースをお配りしました。
現在公開されている情報よりも少し踏み込んだ内容をトーク前にじっくり読まれている方もちらほら。
 
トークイベントは国東半島芸術祭総合ディレクターである山出淳也さんによる、芸術祭の説明から始まりました。
「国東」という土地自体が持っている力があり、そこでしか鑑賞しえない作品を見に来てほしいと語る山出さん。
近年地方芸術祭は数が増えてきていますが、国東半島芸術祭は何と言っても「チャラくない」ところが特徴と
何度も強調されていたのが印象的でした。
羽田空港から直行便で2時間足らずという手軽さではありますが、着いてからがすごい!とのこと。
絶対にビーチサンダルでぷらぷらっと行くことのできない場所に、
必死になって辿り着いた時にだけ出会える経験があるという言葉には説得力があります。
 

 
国東半島芸術祭にアーティストとして参加されている宮島達男さんは、芸術祭に参加するきっかけのお話からされていました。
色々な芸術祭がある中で、どこにも基本的に参加するつもりは無かったという宮島さん。
それでも、山出さんのおっしゃる「半端な気合では見に来れない芸術祭」という魅力と、
作品を設営するための場所を現地のスタッフが凄まじい努力で探しだしてくれた熱意に惹かれて
参加を決めたというエピソードに、現地で宮島さんの作品を見てみたい!と思いが膨らみます。
 

これまでの国内外で展示された作品の説明を、映像や写真を交えて拝見することができ、
とても贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
地域密着で行う芸術祭ならではの、地元の人との交流の楽しさや作品設置に至るまでの苦労、色々なお話をして下さいました。
国東の地元ならではのお祭りや、環境、食文化の話になると宮島さんと山出さんの仲の良さの伺える掛け合いで
会場は笑いに包まれ、とても楽しいイベントになりました。
 
最後に質問タイムを設けたのですが、参加者の皆様、本当にたくさんの質問を挙手して下さって、驚きました。
更には、参加して下さった方の大分県出身者率の高さにびっくりさせられたり、
みなさん真剣そのもので作品や芸術祭のコンセプトに踏み込んだ質問をされてメモを取られたり、
有意義な場を作ることが出来たのではないかとArtLAB一同嬉しく思っています。
 
何と言っても、このトークイベントが終わって思うことは、
「国東半島芸術祭に行きたい!」ということだったのではないでしょうか?
生半可な気合ではなく、真剣そのもので芸術祭に出かけて、そこにしか無い作品に出会いたい。
そう強く思わされる場を作って下さった宮島達男さん、山出淳也さん、本当にありがとうございました。
 
国東半島芸術祭は、今年10月4日から開催です。
 
 

 
宮島達男さんの「成仏プロジェクト」作品制作ワークショップ参加者募集中。詳細は国東半島芸術祭のホームページにて。
国東半島芸術祭:kunisaki.asia/
 

 

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宮島達男「Counter Painting 2014」@CAPSULE

みなさんこんにちは。Art labです。
7月20日(日)にはOVER THE BORDERにて、国東半島芸術祭のプロモーションの一環として、宮島達男さんと山出淳也さんのトークイベントを行いましたが、その宮島さんが現在CAPSULE Galleryにて、面白い試みを行っていると聞きつけ、伺ってきました。宮島さんに直接お話も伺いましたので、既に見に行かれたという方も、是非ご覧ください。
 
 

 
Profile
1988年、国際美術展ヴェネチア・ビエンナーレの若手作家部門アペルト’88で注目を浴びて以来、日本を代表する現代美術作家の一人として国内外で精力的な活動を続けています。宮島さんの作品は、「それは変わりつづける」、「それはあらゆるものと関係を結ぶ」、「それは永遠に続く」という3つのコンセプトに基づいたデジタルカウンター(L.E.D.)に代表され、1〜9までの数字が異なる速度で明滅し0を示さないことによって、生まれては死んでいく生命を象徴しています。
また1996年より、長崎で被爆した柿の木の種から育てた苗木を世界各国に現地の子供達とともに植樹していく「時の蘇生」柿の木プロジェク

も推進しています。
official web site

 



展覧会レポート

宮島さんと言えば、瞬時に思い浮かぶのはデジタルカウンターですが、展示会場には、1面に1点ずつ平面作品が3点置かれていました。今回の展覧会は、アート作品のオリジナル性や作家の個人性を問う実験的なもの、とのこと。3点とも、存命中の作家とコラボレーションしており、それぞれの作家が制作した平面作品の上に、宮島さんが数字(時間)を置いています。ところが単なるコラボレーションとは制作過程が異なり、他の作家が先に描き上げた作品を買い取った後、数字を置いていったのだそうです。誰の作品というべきなのか、一風変わったコラボレーションでつくられた作品を見ることができました。
 
(c)Tatsuo Miyajima
お1人目は柴田健治さんとのコラボレーション。柴田さんの作品は、微妙な色彩の違いのみで画面構成されていて、表面は平滑でありながらも、見ている者に奥行きを感じさせるのが特徴です。その柴田さんの油彩の上に、4種類の異なる手法によって宮島さんが数字を乗せています。それぞれの手法は美術史上で重要な手法を用いており、ひとつの画面で、美術の歴史や時間を凝縮しています。左上から時計回りに、”5″はシルクスクリーン、”2″はドリッピング、”9″は点描、”3″はデカルコマニー、とのことです。
デジタルカウンターと違い動きはないのですが、アンディ・ウォーホルからインスパイアされ、シルクスクリーンで表現した正面左上の”5″が、規則的な輪郭線からはみだしていることによって、鑑賞者の心臓の位置とリンクし、生命や動こうとする意思を感じます。

 
(c)Tatsuo Miyajima(c)Tatsuo Miyajima
お二人目は嵯峨篤さん。ウレタン塗装を磨きこんで鏡面のように光沢を放つ作品で知られているアーティストです。宮島さんはそこに電動ドリルで表面を削りカウントダウンしています。表面の平滑さと対比するような荒削りの数字は、「生」と「死」の対比のように表しているとのことです。宮島さんの数字と言えばデジタルでシステマチックな印象で、このように手書きの数字でのカウントダウンが見られるのは数少ない貴重な機会なのではないでしょうか。嵯峨さんが、完成された美しさを表現していることにより、あえて荒削りなカウントダウンを表現するという、コラボレーションならではの宮島さんが見られます。
荒削りなカウントダウンは生々しく人の息吹を感じるはずなのですが、美しい真っ白さによるのでしょうか、死後の世界で輪廻転生を待っている時間のように感じました。
 
(c)Tatsuo Miyajima
三人目は富田直樹さん。これまでのお二人とは違い、荒々しいテクスチャーに特徴のある富田さんの作品。その上に、宮島さんはマスキングし、スプレーで数字をあらわしています。富田さんの荒々しさに対して、表層的なスプレーという素材で対比させ空間を差異化しているそうです。グラデーションやスプレーの軽さ、また荒々しいテクスチャーも相まって、カウントダウンの動きを感じます。
柴田さんとのコラボレーションもそうですが、こちらも、使用した数字に意図はないそうです。デジタルカウンターの作品制作の際にも使用している、数字をランダムに表示する機械で出てきた数字を描いているとのことです。
 
 
本展は、オリジナリティーへの批評や、所有制への批評など、さまざまな点からこれまでのアートヒストリーへの懐疑的な試みとなっており大変興味深いものでしたした。誰の作品なのか、誰から買うのか、そもそも買えるのか、など、作品を見るだけではなく、作品の在り方にも注目して見たい展覧会です。
宮島さんに今後の予定をお伺いすると、宮島さん自身がこの人とならできる、と思うことと、コラボレーションする作家が宮島さんとならやってもいい、と思うこと、双方の合意が必要なので、いまのところ予定はないけれど、機会があればまた行う可能性はある、とのことでした。第二弾、期待して待ちたいと思います!
 

 
また、CAPSULE Gallery隣接のカフェSUNDAYでは、なんと各々の作品を見ることもできました。せっかくなので、こちらもご紹介させて頂きます。皆さんこちらもお見逃しなく。
 
Cafe展示レポート

 
(c)Tatsuo Miyajima
まずはこれぞ宮島さん、と言うべきであるデジタルカウンターを使用した作品。こちらは常設で、普段から設置されているとのことです。宮島さんのデジタルカウンターを見ているといつも不思議な感覚に陥ります。無限と刹那という対極が同時に存在し時を刻みながらも、時間という概念から解き放たれるような気分になります。せっかく椅子もあることですし、しばらく眺めてみてはいかがでしょうか。
 
(c)Kenji Shibata(c)Kenji Shibata
こちらは柴田さんの作品。周囲の空間に溶け込みながらも、空間に緊張感を与える存在感をもっています。微妙な色彩で構成される空間の奥行きとともに、作品としての奥深さを楽しんでみて下さい。
 
(c)Atsushi Saga(c)Atsushi Saga
嵯峨さんの作品。黒い作品では更に光沢が増し、周囲の景色を写し出します。ある角度から見ると、宮島さんのデジタルカウンターも写し出されていました。嵯峨さんの作品ならではの現象というべきでしょうか。ある意味ここでもコラボレーションが生まれています。
 
(c)Naoki Tomita(c)Naoki Tomita
最後に富田さんの作品です。正面から見るときれいに描かれた人物像のように見えますが、少し横にずれると荒々しいテクスチャーで表現されているのが分かります。角度を変えることによって見えてくる、人間の多面性を表しているようにも思えてきます。
 

 
Cafeスペースでは、使用されている什器がアンティークであったり、随所にオーナーのこだわりを感じる空間でした。CAPSULE Galleryの展覧会ごとに、カフェの展示作品も変わるとのこと。みなさん、CAPSULE Galleyで展覧会を見た後は、ぜひSUNDAY Cafeにも訪れて、ゆったりとした時間を楽しんでみて下さい。
 
 

 
 
Information
 
CAPSULE Gallery
「Counter Painting 2014」
[会期] 2014年7月5日(土)~8月3日(日)※水曜日定休
[時間] 12:00~19:00
[会場] CAPSULE Gallery
   東京都世田谷区池尻2-7-12
[アクセス] 田園都市線池尻大橋駅南口より徒歩8分/世田谷線三軒茶屋駅北口より徒歩10分
[観覧料] 無料 
 
 
 

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