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ギャラリー【OVER THE BORDER】スペシャリストと巡る旅【Cultra】で新しいアートを探るアートラボのBlogです 

クレマチスの丘レポート③IZU PHOTO MUSEUM

みなさんこんにちは。Art LABです。
3回にわたって紹介してきたクレマチスの丘のレポートも今日が最後です。
先日ご紹介したヴァンジ彫刻庭園美術館と同じクレマチス・ガーデンエリアにあるIZU PHOTO MUSEUM。
現在は、写真家・小島一郎の作品が展示されています。
 
 

 

 
クレマチスの丘全体に言えることですが、ここでももうひとつ気もちのいい空間に出会いました。そう、IZU PHOTO MUSEUM最大の特徴と言えば、杉本博司さんの建築です。
家などの住居空間にいると、心地よい空間というのは当たり前のことであり、建築に感謝、と改めて思うこともないのですが、美術館という非日常な空間に来ると、建築物の芸術的な心地よさに感謝の気持ちが芽生えます。
 

そんな建築物の中、行われている写真展は、小島一郎「北へ、北から」
「北へ、北から」と言うと、ついつい昨年流行した「あまちゃん」の潮騒のメモリーを思い出してしまったのですが、あの歌詞に負けず劣らず、この展覧会タイトルは、小島一郎の生き様を表すような3つの”北”が含まれているのだそうです。
元々青森県という、本州最北の県での活動をしていた小島さんですが、一時期、東京で活動していたこともあります。その後、青森へ戻ることになったことから、北から来て北へもどる、という“北”が1つ。
また、東京から帰郷した後は、もともと撮影していた津軽ではなく、青森の中でもさらに北の下北半島での撮影をするようになります。それが2つ目の、“北”。
さらにその後、北海道での撮影を目指し、青森からさらに北へ赴き撮影をした、というのが3つ目の“北”。
どんどん厳しい環境である北へ向かっていったその生きざまも含めて、「北へ、北から」というタイトルで表現しているのだそうです。
 

 

最初のエリア。絵画のように情緒あふれる作品が飾られています。
リアリズムが主流だった当時、このように情緒あふれる詩的な写真作品は、注目を集めたのだとか。すごくロマンチックな写真に見惚れてしまいます。
 

こちらはトランプ、と呼ばれていたと言う名刺サイズの写真たち。
1つの作品をつくるために、同じ構図で何枚も何枚も写真をとって1番いいものを選んで作品にしたそうで、編集の検討の為に、いつも胸ポケットに複数の”トランプ”がはいっていたのだとか。トランプが胸ポケットに入っているなんて、なんだかマジシャンのようなイメージを持ってしまいますが、写真の大きな特徴である過去を未来に残すことができる、ということを考えてみると、マジシャンのような印象も遠からず、という気もしてきます。
 

情緒感豊かな作品の部屋から一転、中間色を一切なくしたようなハイコントラストな世界へ。
この展覧会は個展のはずだけれど、別の作家さんかな?と思うような錯覚を覚えます。どちらにせよ、現実を写し取るというだけではなく、絵画的な構図へのこだわりをもって作品を作り上げていったのだということが伝わってきます。
カメラひとつでこんなに幅広い世界を表現できるなんて、やっぱりマジシャンのようだなあ、と感じたのでした。
 
 
3回にわたるクレマチスの丘レポートも本日でおしまい。
実際に行ってみると、本当に気もちよくて、まだまだ発信しきれていない魅力でいっぱいの場所です。
みなさんぜひ実際に訪れて、深呼吸してみてはいかがでしょうか。
 

 
Information
IZU PHOTO MUSEUM
小島一郎「北へ、北から」
[会期] 2014年8月3日(日)~12月25日(木)※水曜日定休(12月24日は開館)
[開館時間] 10:00~17:00(9・10月)10:00~16:30(11・12・1月)
[入館料]  大人 800円/高・大学生400円/小・中学生無料
 
 
 
 

 
 

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クレマチスの丘レポート②ヴァンジ彫刻庭園美術館

みなさんこんにちは。Art LABです。
クレマチスの丘レポート①で紹介したベルナール・ビュフェ美術館に続き、本日も同じくクレマチスの丘にある、ヴァンジ彫刻庭園美術館を紹介したいと思います。
ベルナール・ビュフェ美術館から歩いて15分。ヴァンジ彫刻庭園美術館では現在、イケムラレイコ「PIOON」が開催されています。 それでは早速ご覧下さい。
 
 

 

ビュフェ・エリアから、ヴァンジ彫刻庭園美術館のあるクレマチスガーデン・エリアまでは歩いて15分。隣接する駿河平自然公園を楽しみながら行くことができます。結構かかるし迷うかな、と思いきや、曲がり角には必ず看板が出ているので、指示に沿って歩いていくのみ。また、歩いて15分の自然豊かな土の道が、都会に住み慣れた人間にはとっても楽しく、あっという間に到着します。
 

そして、なんといってもこの吊り橋。めったにない機会に子どもも大人もはしゃぎ気味で渡る姿をちらほら見かけました。 とは言え、大雨の日など天候の悪い日はちょっとなあ、と思うかもしれませんが、ビュフェ・エリアから、クレマチスガーデン・エリアへは、バスも出ているので安心です。
 

ということで、あっと言う間に到着したヴァンジ彫刻庭園美術館ですが、入った途端に視界が開けて、とっても気もちのいい空間が広がります。 あまりの気持ちよさにしばしぼんやり。動きたくないなあという気持ちをぐっとこらえ、いざ館内へ。
 

 

全長3.4mもある陶の作品「うさぎ観音」。
”内と外”というのは、これまでにもイケムラさんが制作のテーマとしてあげてきたものの1つですが、そのテーマが示すようにこの作品の下半身は空洞で前が開き、胴体には無数の穴が開いていて、内と外の境界があいまいになっています。この静かな空洞を前にすると、この中に入ってみたいという思いにかられます。
内側から見る景色は、穴からこぼれ入る光が星のように見えて、静かな穏やかな夜にいるような気分になるのだろうな、と想像をめぐらせ、地球にいながら別の地球にいってしまうような、不思議な感覚を覚えます。内側も外側も地球だな、と思ったら、なんだかすごく大きくて深い優しいものに包まれているような気持ちになりました。
この観音が土でできているということが、土の上(外)に立って生きて、土の中に還っていく人間の摂理と重なっているように思えてきます。生と死と考えるとずいぶんと違うことのように思えるけれど、外も中もどちらも地球だと思うと、安心感に身を包まれます。
「うさぎ観音」が発する優しい祈り、ぜひ向き合ってみて頂きたいです。
 

 

展覧会であたたかいものを受け取り外へ出ると、これまた気もちいい光景が待っていました。緑の広がる丘で、鈴木康広さんの作品「屋根のベンチ」に群がる子ども達がいたり、ゆっくり散歩しているご夫婦がいたり、穏やかな空気が流れています。
 

 

のんびり歩みを進めていくと、なんだか小さな入り口を発見。
入ってみると、なんとも現実離れした空間になっていました。マイナスイオンの濃度を計りたくなる程の癒しスポットの出現です。ハーブティーなど癒し効果の高い飲み物が飲めるよう。お店のスタッフさんが、 クレマチスのお花にかこまれて、にこにこと今回の展覧会にあわせたお店の展示を説明して下さいます。ファンタジーかな?と思うような夢見ごこち空間。みなさまぜひお試しあれ。
何度でも来たくなるようなヴァンジ彫刻庭園美術館でした。
 

 
Information
ヴァンジ彫刻庭園美術館
イケムラレイコ「PIOON」
[会期] 2014年4月20日(日)─ 10月14日(火)※水曜日定休
[開館時間] 10:00~17:00(9・10月)10:00~16:30(11・12・1月)
[入館料]
大人1,200円/高・大学生800円/小・中学生500円(4月~10月)
大人1,000円/高・大学生500円/小・中学生無料※特別企画

展を除きます。(11月~3月)

 

 
次回はIZU PHOTO MUSEUM。
小島一郎さんの写真はもちろんのこと、杉本博司さんの建築もとっても素敵でした。またお楽しみに。
 
 

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クレマチスの丘レポート①ベルナール・ビュフェ美術館

みなさんこんにちは。Art LABです。
cultraのツアーでご一緒させて頂いた山口晃さんが静岡県のアートスポット「クレマチスの丘」にあるベルナールビュフェ美術館にて企画展に参加中ということで、行ってきました。静岡県と一口に言っても広いので今いち距離感が掴めませんが、クレマチスの丘がある三島駅は、東京駅から新幹線で45分。在来線でも2時間と、都内からとっても近いのです。
 
また、クレマチスの丘には、ベルナール・ビュフェ美術館以外にも、2つの美術館や、文学館、クレマチスの咲き誇る庭園があり、1日中楽しめるアートスポットになっています。今回は、クレマチスの丘にある3つの美術館(ベルナール・ビュフェ美術館/ヴァンジ彫刻庭園美術館/IZU PHOTO MUSEUM)について、それぞれ紹介していきたいと思います。
 
まずは、ベルナール・ビュフェ美術館から。それでは早速ご覧ください。
 
 

 

 

東京から新幹線で45分。あっという間に三島駅に到着。三島駅からクレマチスの丘へは、無料のシャトルバスが出ています。
バスはヴァンジ彫刻庭園美術館で開催中のイケムラレイコPIOON仕様になっていたり、クレマチスの丘のパンフレットが置いてあったり、乗り込む時点で、わくわくさせてくれるような仕掛けがいっぱいです。
 
常設展示

ベルナール・ビュフェ美術館に到着。
 


美術館の名前が表す通り、ここはフランスの画家ベルナール・ビュフェの作品を集めた美術館。2000点に及ぶコレクションの中から、およそ1年ごとに変わるテーマで選んだ作品を展示しているとのこと。現在は、今年の4月に発売された画集『ベルナール・ビュフェ 1945‒1999』を元に作品が展示されています。 作品は時代ごとに展示してあり、ビュフェの生涯を学ぶには、うってつけのチャンスです。
 
 
企画展『日本の原風景を描く 広重の「東海道五拾三次」と現代作家たち』

さて、いよいよ、山口晃さんも出展しているという企画展『日本の原風景を描く 広重の「東海道五拾三次」と現代作家たち』に到着。
歌川広重の「東海道五拾三次」と言えば、義務教育の過程で、誰しも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。江戸時代で最も有名な浮世絵師のひとりであり、日本だけではなく、西洋美術にも影響を与えています。そう、アートファンでなくても知っている、あのゴッホもコレクションしていたと言われています。
今回の企画展は、そんな広重の「東海道五拾三次」に加え、広重の作品にインスピレーションを得た現代作家たちによる作品まで見られるとのこと、期待が高まります。
 

会場にはいると、広重の「東海道五拾三次」が日本橋から京都までずらっと並んでいます。書物の上ではよく見る親しみのある作品ですが、55枚をすべて実物の版画で見る機会は中々ないのではないでしょうか。
今は見ることのない江戸時代の町人の姿を見て時代の流れを感じつつも、描かれている気候や自然は180年ほど経った今でもなんとなくその土地だと納得できるものだな、と感じます。この土地は、やっぱり海なのだな、とか、この土地はよく雪降るな、とか。人の姿が変わっても、見る景色に共通のものがあると感じるとやっぱり嬉しいものです。
 

さて、こちらは山口晃さんの作品たち。
ベルナール・ビュフェ美術館のある三島の風景を描いた作品が展示してあります。
 

歩道橋に瓦屋根が付いていたり、江戸風の町人がもっているビニール袋にセブンイレブンのマークが描いてあったり、山口さんが生み出す過去と現在の融合は、いつもながら感嘆のため息と少しの笑いを運んできてくれます。
山口さんの描く絵は、特定の誰かの原風景ではなく、日本人に共通する原風景を描き出していて、だからこそ、こんなにも共感するのかな、と思いました。
私たちは和服の時代に生まれていないけれど、日本人と言えば和。和と言えば着物。着物と言えば、、というように、日本人が共通して日本の特徴と捉えている和の文化を、鮮やかに現代によみがえらせてくれます。ドレスや金髪も好きだけれど、着物と日本髪に対して美しいと思う感性は、小さな頃から培われて簡単には動かないものなのかもしれないなあ、なんて感じてしまいました。
 

ちなみに、山口さんの作品に描かれている場所は三島周辺に実在しています。作品と見比べるべく三島駅周辺を散歩してみるのも素敵な楽しみ方ですよね。
 
 
お次はイケムラレイコさんの展示空間へ。
 

イケムラさんの作品は、広重の「東海道五拾三次」を見て、そこから詩とともに新たなシリーズとして生み出されたそうです。
上の絵は構図こそそっくりですが、「枯れ木となって忘れられ旅人を問う者なく」という詩が付いていることによって、見え方がまったく違ってきます。
広重の作品を見た時は、土地ごとの自然の特徴は今も残っているなあ、と変わらないものがあるように感じたものですが、イケムラさんの作品を見ていると、世の移ろいを感じ、変わらないものなんてないような気がしてきます。広重が実際に見て描いたものと、180年経ったいま、広重の絵からインスピレーションを得て描かれたもの。比べて見ることで、色んな気付きや面白みがありました。
 
 
この企画展では、紹介させて頂いた作家さんの他にも竹崎和征さんなどが出展しています。それぞれの作家が、それぞれに描き出す原風景。自分の根源ってどこにあるのかな、と思い起こすとっかかりとなるような展覧会。
9月28日までと会期も残りわずかですが、みなさん是非行ってみて下さいね。
 

 
Information
ベルナール・ビュフェ美術館
常設展「ベルナール・ビュフェ 1945-1999」
2014年4月12日(土)―2015年6月14日(日)
企画展「日本の原風景を描く広重の「東海道五拾三次」と現代作家たち」
2014年7月19日(土)― 9月28日(日)
※水曜日定休(12月24日は開館)
 
[開館時間] 10:00~17:00(9・10月)
     10:00~16:30(11・12・1月)

[入館料] 大人 1000円/高・大学生 500円/小・中学生 無料

 

 
次回はヴァンジ彫刻庭園編。
本日紹介した企画展にも出展中のイケムラレイコさんの個展の紹介です。またお楽しみに。
 
 

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「AMA DABLAM/GLACIER」オリジナルポスター4種発売のお知らせ

9月6日(土)から開催の石川直樹写真展「AMA DABLAM/GLACIER」ではポスターを販売いたします。


 
デザインはtrout 原耕一さんによるものです。
4種類のポスター、サイズはA1とA2の二種類を予定しております。
価格はA1サイズが¥5000(税抜)、A2サイズが¥1500(税抜)です。
展覧会の会期中、OVER THE BORDER会場にて発売いたします。
 
また、会場では石川直樹ヒマラヤシリーズの写真集Qomolangma,Lhotseに加え、
今夏発売となったManaslu,Makaluを販売いたします。(いずれもSLANT出版)
 
みなさまのお越しを楽しみにしております。

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石川直樹 写真展「AMA DABLAM/GLACIER」@OVER THE BORDER

みなさんこんにちは。
ArtLABが運営するOVER THE BORDERギャラリーのお知らせです。
9月6日(土)から、写真家・石川直樹さんの展覧会を開催致します。
 

 

 

展覧会概要
石川直樹 個展「AMA DABLAM/GLACIER」
2014年9月6日(土)-10月12日(日)
12:00-20:00/月曜休廊
オープニングレセプション:9月6日(土)19:00-21:00
 
アマダブラム(標高6812m)はネパール語で「母の首飾り」を意味し、エベレストの近く、クンブー地方の真ん中にそびえ立っています。その美しい山容とは裏腹に、登頂するためには一定の技術を要し、なかでもぼくが選んだ北稜ルートはとりわけ難しい登攀を要求され、登頂には至りませんでした。本展では、その2013年秋の遠征と、翌2014年春のマカルー遠征で撮影した写真を合わせ、初公開となる動画作品も展示します。いつか再挑戦したい、そんな思いを込めた、小さな写真展です。 
石川直樹
 

 
皆さま是非お越しください。
 

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